投稿

イチハツの咲く茅葺き屋根

イメージ
ゼミのエクスカーションで 川崎市立日本民家園 にお邪魔しました。茅葺き屋根の上には紫色のイチハツが咲いています。中国原産のイチハツはアヤメ科のなかでもいち早く咲き出すもので、火事や台風からのお守りとして茅葺き屋根の上に植えられる風習が古くからあったそうです。 タイミングよく、「信越の村」5軒をボランティアの案内で見学することができました。写真は重要文化財の江向家住宅です。富山の五箇山の民家は「庄川本流系」と「利賀系」に分類され、いずれも切妻造(入母屋造風)ですが、江向家住宅のような「庄川本流系」は妻入(正面の妻に入口がある)に特徴があります。一方で、すぐ近くにある野原家のような「利賀系」では妻側ではなく屋根側(横側)に入口があります。 4月末の好天に恵まれて、ガビチョウやウグイスが鳴くなか、のんびりと4時間ほど民家を満喫してきました。白川郷や大内宿、美山といった現地で保存されている場所も素晴らしいですが、全国から移築・復元・保存し、丁寧に解説や展示がなされている川崎市立日本民家園はもっと評価されて良い場所です。ただ、混雑すると困るので、知る人ぞ知る場所で良いかなとも。

キランソウ

イメージ
一気に花が咲きだして、早々と暑くなってきました。9号館横ではキランソウがみんなに踏まれても元気に咲いています。 いつ植えられたのか、9号館前の一角に小さなアオダモの木。花が咲いて、気が付きました。

森林美学の系譜

イメージ
樹木葬に関するトークセッションへのお誘いを受けて、学生たちと一緒に Deathフェス というイベントに参加してきました。会場は渋谷ヒカリエです。急増する樹木葬はもちろんですが、 循環葬 や有機還元葬といった耳慣れない葬送に対する大きな関心があることを知り、驚きました。イベントに誘ってくれた北大教授の上田さんは、院生時代の友人で、東大林学の風致計画学の所属でした。現在、北大で「 森林美学 」の講義を担当されているとのことです。 その話を聞いて、イベントの後、せっかく渋谷にいるので学生たちを誘って明治神宮を散策してきました。第一鳥居が綺麗になっていたので、帰宅してから調べたら、鎮座100年記念ということで2022年に建て替えられていました。創建時(1920年)、明治神宮の8基の鳥居は第一鳥居だけでなくすべて阿里山のタイワンヒノキを用いたはずですが、新しい第一鳥居は吉野をはじめとする国産各地のスギを用いたそうです。タイワンヒノキだった旧第一鳥居はなんと「 除災招福守 」になって、今年の初詣で配られたそうです。 大鳥居(第二鳥居)はかつてのままでしたが、これは創建時に阿里山から運んだタイワンヒノキの鳥居ではなく、1975年に建てられた二代目で、台湾の丹大山(たんだいさん)というところのタイワンヒノキです。本殿の前にある第三鳥居も、 2016年に建て替え られて、木曽のヒノキになっているそうですから、阿里山のタイワンヒノキの鳥居が明治神宮にあといくつ残っているのか、大変気になるところです。ちなみに本殿前の夫婦楠(写真)は、創建時の植樹で、100年生を超えています。 いろいろ調べていたら、落雷で破損して建て替えられた大鳥居は、翌年、 大宮の武蔵一宮氷川神社に寄贈 されて、修復されて赤く塗られてはいるものの、現在も健在であることを知りました。大宮の氷川神社はくらやみ祭りの「三ノ宮」です。近いうちにお参りに行きたいと思いました。

岩手県立大学総合政策学部に

イメージ
嬉しいお知らせです。農村社会学研究室で修士課程、博士課程を過ごした佐藤周平くんが 岩手県立大学総合政策学部 の講師に就任しました。本研究室から巣立った最初の大学教員です。今後の活躍を 心より願っています 。  

第3回桜まつり

イメージ
寒の戻りで、サクラの蕾も二の足を踏んでいますが、前日の雨も止んで、晴れ間も出るなか、今年も山梨市の旧牧丘第二小学校で開催された桜まつりに9号館の有志で参加してきました。   持参した60本の 乳酸菌飲料 (1本400円)は3時頃までに完売しました。今年も子どもたちには風船の犬が大好評でした。6月の実習ではブドウ栽培やワイン生産の歴史を学ぶ予定です。

東洋大学で研究会

イメージ
札幌も決して寒くなかったのですが、東京はまだ3月なのにもはや暑いという気温です。今日は東洋大学で、森林保護と宗教というテーマのキックオフミーティングがありました。 東洋大学(哲学館)の創設者である井上円了は新潟長岡出身の哲学者でした。ミーティングの前にちょっとだけ時間があったので、 井上円了記念博物館 を見学しました。何気なく車で通り過ぎていた中野の哲学堂が、井上円了の拠点だったことを知りました。ソクラテス、カント、仏陀、釈迦を祀った「四聖堂」だったとのことでした。哲学堂あたりのサクラ並木はもう咲き出しているでしょうか。  

北海道大学で森林学会と林業経済学会

イメージ
北海道大学で開催された森林学会と林業経済学会に研究室の学生3人と一緒に参加してきました。2年ぶりの札幌は、予想していたよりもかなり暖かでした。北大のキャンパスは本当に素晴らしいです。ポプラ並木が夕陽に映えます。今回、森林学会では佐藤周平くんの論文が「 日本森林学会誌論文賞 」に選ばれて、 表彰 され、林業経済学会ではOGの松村菖さんの論文が「 林業経済学会学生論文賞 」に選ばれて、 表彰 されました。関係者のみなさまに心より感謝申し上げます。 森林学会の林政の会場は農学部(写真)の4階にある大講堂でした。歴史ある大講堂の舞台で 発表 できたことは記憶に残りました。実は4階の上の5階(写真の塔の部分)には中講堂があります。林業経済学会の理事会・評議員会はここで開催されたので、中講堂に足を踏み入れることもできました。 学会の翌日、飛行機の時間が遅かったので、林業遺産を見学に行きました。写真は、森林総研の林木育種センター北海道育種場に隣接する旧林業試験場庁舎です。この庁舎は、志文別から西野幌に1927(昭和2)に移転した際に建築されたもので、現在までその美しい姿を残しています。リノベーションされて、サッポロ珈琲館が 「Rinboku」 というカフェを経営していますが、この日は月曜日で休館日だったので、残念ながらコーヒーをいただくことはできませんでした。 飛行機までもう少し時間があったので、バードウォッチングに行きました。運良く、日本最大のキツツキで天然記念物のクマゲラを観察することができました。メスのクマゲラが枯木から餌を掘り出しているところです。ただ、たぶん雪原を慌てて走って転んだときなのですが、20年以上愛用していた水筒を失くしてしまいました。

桂二郎とワイン

イメージ
地域社会システム調査実習の現地実習の打ち合わせのため山梨市にお邪魔しました。今年のテーマはブドウ栽培やワイン生産の歴史になりました。 フルーツ公園 で現在展示中の「日本ワイン歴史展」をみると、明治期に日本各地でワイン生産に取り組んでいた様子がよく分かります。 第11代、第12代、第15代の内閣総理大臣で知られる桂太郎には桂二郎という弟がいて、兄弟で一緒にドイツに軍事留学しています。そのときに二郎は体調を崩して、ワイン生産の勉強に転向したそうです。帰国後、留学費用を支援してくれた山梨県で勤務し、『葡萄栽培新書』を著しました。知られざる歴史といいますか、著名な桂太郎にこのような弟がいて、山梨や日本におけるワイン生産に大きな貢献をしていたことを知り、とても驚きました。

雪の不動

ブナなどの広葉樹材の活用について不動生産森林組合にお話を伺うため一泊二日で新潟県上越市にお邪魔してきました。今年は久しぶりに雪が多いとのことで、動画のように道の両側に2メートルほどの積雪がありました。  

内田祥三

イメージ
今日は東大農学部で打ち合わせでした。右が1号館、奥が3号館です。東大農学部の建物群は、前日に見学した旧公衆衛生院および東大医科学研究所と同じく内田祥三の設計です。これらはどれも良く似ていますが、農工大の本館は雰囲気が異なっていて、内田のなかでは異色作だったのかもしれないですね。

白金界隈でエクスカーション

イメージ
今年は研究室からの卒論発表がなかったのですが、M2の修論発表会(2/12)とM1の構想発表会(2/18)が無事に終わったので、打ち上げを兼ねて、白金界隈にエクスカーションに出かけました。 一枚目の写真は東京大学医科学研究所です。1892年に開設された伝染病研究所が起源となっています。伝染病研究所の管轄が内務省から文部省に変わることに反対した北里柴三郎が所長を辞めて、北里大学の前身である北里研究所を設立したのは有名な話です。当時の歴史的資料が医科学研究所入口近くの 近代医学記念館 に展示されています。 さて、二枚目もよく似た建物の写真です。これは、伝染病研究所とセットで建築された 旧公衆衛生院 で、現在は港区の「ゆかしの杜」という総合施設になっています。いずれも内田祥三による設計です。同じく内田が設計した農工大の本館とはずいぶん趣きが異なります。 日頃の行いが悪かったのか、この建物に入っている港区郷土資料館がお休みでした。それでも総合施設なので、中にはいって建物を見学することができました。階段の造りが美しかったです。 このあと五反田方面まで歩いて、スリランカ料理屋で打ち上げを行いました。キャッサバ芋のフライがとても美味しくて、びっくりでした。

京の桂

イメージ
日文研(国際日本文化研究センター)で開催された二日間にわたる研究会に参加してきました。京都駅から西に少し行ったところにある桂駅からバスで20分ほど山に入ったところに日文研があります。せっかくなので研究会の前に桂離宮にお邪魔することにしました。 宮内庁によって皇室財産として管理されている桂離宮は自由に散策することが出来ません。1時間のガイドツアーを事前予約(厳密には抽籤)したものだけが入場できる仕組みになっています。とても丁寧なガイドツアーにもかかわらず、入場料込で1000円と破格です。 写真は、皇室が出入りする「正門」です。一般の人がこの門を使うことはありません。写真ではわかりにくいのですが、砂利が敷かれている道の部分は、門があるところの幅よりも手前の幅のほうが広く造られているため、距離を遠く感じ、名残惜しくなるとのことです。このように含意ある意匠がそこら中にあるのですが、解説を聞かなければほとんど気が付きません。 改修のために池の水を抜いている時期だとのことで、本来の美しい庭園の姿を拝むことはできなかったのですが、それでも木や石、池、橋、建物の一つ一つが、職人の手によって、およそ400年前から変わらずに完璧に維持管理されていることがよく分かりました。 本題の研究会の方は、「匂い」をテーマにした環境史ということで、日文研の先生方や懐かしい先生方とお話しや会食をする貴重な機会となりました。また去年お世話になったスロベニア現代史研究所のみなさんにも再開することできて、とても楽しい時間を過ごしました。二日目の昼食にいただいた木乃婦の仕出し弁当「洛中三条」は、すべての惣菜が丁寧に調理されていて、とても美味しかったです。改めてお礼申し上げます。

Changing Living Spaces

イメージ
スロベニアとの共同研究で Changing Living Spaces というタイトルの書籍が出版されました。分担執筆した明治期の山梨県の入会御料地に関する Chapter を含め、すべてPDFでダウンロードできますので御覧ください。 University of Primorska Pressは、スロベニアの港湾都市コペルにあるPrimorska大学の出版会です。去年の3月に 2国間交流でこの大学に訪問 して、一コマの講義をする機会もいただきました。スロベニアはどこに行っても、美しくて、素晴らしい国でした。  

あけましておめでとうございます

イメージ
2025年元旦に浅間山から撮影した富士山です。10歳の息子が三脚を立てて撮影してくれました。府中に住んでいて良いことの一つに、冬は毎日のように富士山を眺められるということがあります。 本年が皆様にとって良い年でありますように。

東大・筑波大・農工大の合同ゼミ

イメージ
東大名誉教授の永田信先生の教え子の研究室が毎年この時期に集まって、合同でゼミを開催しています。今年は東大の田無演習林の セミナーハウス をお借りしての開催となりました。1932年に田無苗圃の事務室として建築されたこの建物は、農工大本館も建築した 内田祥三 によるものだそうです。 ゼミの前に30分ほど演習林内を案内いただきました。今年は秋が遅かったとのことで、朝のまぶしい陽射しを受けて、色づいた木々の葉が美しく輝いていました。 ゼミは朝から夕方まで8時間近くの長丁場となり、農工大からは4人が発表しました。異なる大学の学生たちが発表を通じて交流できる大変貴重なものになっています。ゼミの後は、田無駅近くの居酒屋で忘年会となり、大変盛り上がりました。 ご準備いただいた東大林政および田無演習林のみなさまに心よりお礼申し上げます。ぜひ来年も開催したいです。

日大経済学部との合同ゼミ

イメージ
ちょっとした縁で去年から日大経済学部の根本志保子先生のゼミとの合同ゼミを開催しています。根本ゼミからは3年生が3〜4人のグループで作成した論文を発表してくれました。農工大からはM2の二人が発表しました。双方から質問が飛び交い、活気あるゼミとなりました。環境と経済との間で生じるテーマはどれも興味深く、学びがあります。日大のみなさま、ありがとうございました。 ゼミの前にみんなで みかさ で焼きそばを食べて、古書店に寄りました。学生の頃に慣れ親しんだ神保町界隈はいつ訪れても楽しいです。

かいのき

イメージ
雑誌『 林業経済 』の編集委員会に出席するため、湯島の林業経済研究所に伺いました。御茶ノ水駅を出て聖橋を渡ると、湯島聖堂があります。孔子を祀っている湯島聖堂には学問の木である楷の木が数本(たぶん3本)あります。楷の木はウルシ科の樹木で、この時期には見事に紅葉します。書道の楷書の「楷」はこの樹木の美しい樹形が由来です。 編集委員会のあと、研究所で忘年会がありました。今年も残すところあと3週間ばかりです。

九大伊都キャンパスで林業経済学会秋季大会

イメージ
11月23日〜25日に九州大学伊都キャンパスで開催された林業経済学会2024年秋季大会に院生5人と一緒に参加してきました。農学部があるウエスト5号館はキャンパスの一番奥にあるのですが、泊まったホテルからは一番近く、歩いて15分でした。同じ建物にある119ギャラリーでは「 帝国日本と森林 」の展示も大会中だけ特別に行っていただきました。   今回の大会では学生ポスター&ピッチという発表形式が導入され、19人の学生が競い合いました。どの発表も素晴らしいものでしたが、とても嬉しいことに、研究室のUさん(M1)の発表が 優秀賞(1位)を獲得 しました。おめでとう! 25日は箱崎の九大博物館に寄った後、福津市・宗像市まで足を伸ばしました。写真は日本一の注連縄で有名な宮地嶽神社です。併設されている民家村自然公苑でしめ縄づくりをしていた職人さんから教えていただいたのですが、本殿はもともとは参道の長い階段の先にあったそうです。行ってみると、その「元御本殿跡」には立派なクスノキがひっそりとそびえていました。 宗像大社辺津宮(市杵島姫神)にもお邪魔しました。神宝館には、巨岩巨木信仰に始まる神道の聖地沖ノ島から出土した国宝がずらりと並べられていました。沖ノ島は島全体が宗像大社の沖津宮(田心姫神)の御神体で一般人の上陸が禁止されています。 展示されている島の模型をよく見ると(写真の真ん中あたり)、巨岩が密集しているところがあります。その拡大模型が次の写真ですが、巨岩の間に沖津宮の社殿があり、第二次世界大戦後になってこの近辺から8万点もの祭祀遺物が出土しました。神道が巨岩巨木を信仰することに関係があるそうです。 ちなみに、沖ノ島と宗像大社の間に位置する筑前大島には中津宮(湍津姫神)があり、沖ノ島の沖津宮を拝むことができます。アマテラスオオミカミとスサノオの誓約によって生まれた三姫神たちはこのように3か所に別々に祀られています。朝鮮半島に近い対馬や沖ノ島に残るこうした信仰とその後の日本における自然崇拝や森林保護との関わりについて少し調べてみたいと思っています。 九州大学をはじめ大会運営に携わった関係者のみなさまに心よりお礼申し上げます。来年は彦根にある滋賀県立大学での開催です。一度も行ったことがないのでいまから楽しみです。

ひだまりにクロコノマ

イメージ
今日は修論の中間発表会やら学会の準備やらで忙しく、小走りで本館の前を通り過ぎたとき、風は吹いていないのに一枚の枯れ葉がふわりと地面に落ちたように見えました。 目を凝らすと、その正体はクロコノマチョウでした。もう11月も半ば過ぎですが、暖かそうな陽だまりを探してふわふわと飛び、積もった枯れ葉の上に止まると、見事に姿を消します。 明日からは九州大学の伊都キャンパスで林業経済学会秋季大会です。  

不動のハサカケ米を農工祭で販売

イメージ
農村社会学研究室がはじめて農工祭に模擬店を出し、いつもお世話になっている上越市名立区の不動のお米を炊いたり、量り売りしたりしました。お米は9月に学生と一緒に天日干ししたハサカケ米です。 土曜日には不動の住民のみなさんがマイクロバスで駆けつけてくれました。山菜の炒め煮やおやき、おかきなどが販売メニューに加わり、お店の前には行列ができて、大賑わいです。 一般企画では、ブナやイタヤカエデ、ウダイカンバの板、木工品が並び、多くの人に手に取ってもらうことができました。また、この数年にわたって取り組んできた研究の成果を多くの人に知ってもらうことができました。 ただ、一般企画で一番の人気は、M2のTくんが栽培・販売・調理しているキャッサバのチップスだったのかもしれません。金曜に買ってくれた人が土曜の朝に再び現れてさらに二袋買っていかれるなど、日曜を待たずに売り切れてしまいました。 3日間、朝から晩までほとんど休まずに働いて、身体のあちこちが悲鳴を上げていますが、キャッサバだけでなく、お米も惣菜もすべて完売し、達成感・充実感に包まれました。不動のみなさんや研究室メンバーはもちろんですが、駆けつけてくれたOBOGやT先生、家族にも感謝です。この経験を活かして、来年はもっと上手に販売や展示を行えたらと思います。

研究会Box『森林と時間』を読む

イメージ
林業経済学会の研究会Box「『 森林と時間 森をめぐる地域の社会史 』を読む」に参加してきました。執筆者がそれぞれの視点から書評するという企画でした。護国寺に足を運んだのは久しぶりです。対面・オンラインをあわせて予想以上にたくさんの人に集まっていただきました。 懇親会もとても賑わって、実りある議論ができました。今回のプロジェクトに参加できたことに心より感謝申し上げます。

広葉樹 新時代!

イメージ
林業経済研究所がこの時期に毎年開催している、「緑と水の森林ファンド」助成シンポジウムに参加してきました。今年のテーマは「 広葉樹 新時代! 」です。 国産材、なかでも広葉樹への注目は過熱気味といってもよいくらいで、このシンポジウムにも会場の東大農学部1号館8番教室を狭く感じるくらいに人が集まりました。 有名な旭川の家具は、北海道のミズナラなどの広葉樹を利用しています。いま研究室で関わっている不動地区のブナも家具材として高く評価されてきています。これからの展開が楽しみです。

ムラサキツバメ

イメージ
後期が始まりました。1日が火曜日で初日から講義のために小金井に行きました。講義後、工学部の正門沿いに植えられているマテバシイにムラサキツバメが産卵しているのをみつけました。ツマグロヒョウモンと同じで、温暖化でいつの間にか東京に生息する蝶になりました。 農学部の近くにもマテバシイの街路樹があって、よくみたら幼虫がたくさんついていました。護衛にされたアリがまとわりついています。足元には母蝶も。こんなところで発生していたとは驚きです。 持ち帰って育てた幼虫たちは無事に羽化して、飛び立ちました。

カラマツと柴犬のふるさとへ

イメージ
東大林政の院生Kくんに誘われて東大林政S先生と研究室院生Uさんと一緒に長野県の川上村に調査に出かけました。 「余が郷、落葉松の産地を以て名あり」。明治32年に『 落葉松栽培法 』を著した実業家の井出喜重は、そのころすでにカラマツの種子の産地として有名であった川上村の人でした。この本は種子販売をするにあたって口頭で伝えていた栽培法を出版したものです。川上村文化センターの2階には村の歴史が展示されていて、そこに井出の『種子販売人名録』があり、誰に販売したのかが一目瞭然です。北海道や内地だけでなく朝鮮や樺太へも販売されています。 明治22年に8村(居倉村、原村、御所平村、大深山村、秋山村、梓山村、川端下村、大明村樋沢組)が合併して誕生した川上村はその後に合併することなく現在まで続いている自治体です。8つの前村の入会林野は大正13年にいったん川上村に統一されるのですが、昭和9年の「追加協定書」によって、1/3を川上村に統一する一方で、2/3を8つの「林野保護組合」に残し、さらにそのうち5割まではいつでも各組合員に無償譲渡できることになりました。林業総合センターにはそうした経緯を含めた林野の変遷が壁一面の展示で説明してあり、なかなか読み応えがありました。 ゆるキャラの レタ助 はそこらじゅうにいましたが、もう一つの目的である川上犬には展示舎改修のため残念ながら会えませんでした。川上犬は信州柴犬とも言われる小型日本犬で、県の天然記念物として保護されていますが、現在、頭数が減少しています。それでも、今回、天然記念物指定に至る経緯を正確に知ることができました。 川上村は実はおそばでも有名です。高齢のご夫婦だけで切り盛りしている 善慶庵 にお昼にお邪魔しました。標高1000mの寒冷地に育つソバの実で打ったおそばはとても甘く美味しかったです。サービスでレタスサラダも出してくれました。いまはカラマツではなくレタスで名を馳せる川上村です。帰り際にふと窓の上を見たら、以前、飼育されていたと思しき川上犬の写真が飾られていました。 インタビューにご協力いただいた関係者のみなさまに心よりお礼申し上げます。いろいろ調べたいことがでてきたので、また近いうちにお邪魔できればと思います。