森林美学の系譜
樹木葬に関するトークセッションへのお誘いを受けて、学生たちと一緒にDeathフェスというイベントに参加してきました。会場は渋谷ヒカリエです。急増する樹木葬はもちろんですが、循環葬や有機還元葬といった耳慣れない葬送に対する大きな関心があることを知り、驚きました。イベントに誘ってくれた北大教授の上田さんは、院生時代の友人で、東大林学の風致計画学の所属でした。現在、北大で「森林美学」の講義を担当されているとのことです。その話を聞いて、イベントの後、せっかく渋谷にいるので学生たちを誘って明治神宮を散策してきました。第一鳥居が綺麗になっていたので、帰宅してから調べたら、鎮座100年記念ということで2022年に建て替えられていました。創建時(1920年)、明治神宮の8基の鳥居は第一鳥居だけでなくすべて阿里山のタイワンヒノキを用いたはずですが、新しい第一鳥居は吉野をはじめとする国産各地のスギを用いたそうです。タイワンヒノキだった旧第一鳥居はなんと「除災招福守」になって、今年の初詣で配られたそうです。大鳥居(第二鳥居)はかつてのままでしたが、これは創建時に阿里山から運んだタイワンヒノキの鳥居ではなく、1975年に建てられた二代目で、台湾の丹大山(たんだいさん)というところのタイワンヒノキです。本殿の前にある第三鳥居も、2016年に建て替えられて、木曽のヒノキになっているそうですから、阿里山のタイワンヒノキの鳥居が明治神宮にあといくつ残っているのか、大変気になるところです。ちなみに本殿前の夫婦楠(写真)は、創建時の植樹で、100年生を超えています。
いろいろ調べていたら、落雷で破損して建て替えられた大鳥居は、翌年、大宮の武蔵一宮氷川神社に寄贈されて、修復されて赤く塗られてはいるものの、現在も健在であることを知りました。大宮の氷川神社はくらやみ祭りの「三ノ宮」です。近いうちにお参りに行きたいと思いました。
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