牟婁の春
紀伊半島の西牟婁郡・東牟婁郡に山林所有の調査でお邪魔してきました。南紀白浜空港からすぐ近くの円月島は、海蝕洞(中央の穴)から水平線が見えるのが素晴らしいですね。 このあたりに来たのは初めてです。 南方熊楠記念館 に寄って、この地が生んだ偉人の事蹟を学びました。明治期にアメリカで隠花植物の採集をした道具やノートなどの貴重な史料から熊楠は微細なことが好きだったということがよく分かります。熊楠は神社合祀反対運動でも有名ですが、その舞台となった神島をこの記念館から望めることは知りませんでした。 写真は記念館の 屋上展望デッキ から東の方角を撮影しています。右手にある白い建物がホテルハーヴェスト南紀田辺のようです。その手前に浮かぶ2つの島が神島(かしま)です。左がこやま、右がおやまで、あわせて2.99haだそうです。1929(昭和4)年に昭和天皇が神島に上陸した際に、軍艦長門で熊楠がご進講を行い、1935(昭和10)年に神島は国の天然記念物に指定されました。熊楠亡き後、戦後になって昭和天皇が神島と熊楠を偲んで詠んだ歌の歌碑が記念館の前に建てられています。 さて、本題の山林所有の調査ですが、かつて部落有林野を財団法人や社団法人にした事例は日本各地に偏在していて、その一つが牟婁です。今回、20年前の公益法人制度改革がこのような山林所有に与えた影響を調べているY先生に同行させていただきました。 古座川町のM保郷会では分収林契約で保郷会の土地に住民が植林した記録を台帳に残していました。ただ、50年前にはとても賑やかだった集落はいま高齢化と人口減少ですっかり静かになっています。白浜町のT保郷会でも同様の分収林がありますが、保郷会に寄付して、権利を放棄する人が増えています。 日置川の蛇行によって形成された豊かな農地はもう春の装いです。お土産に 南高梅のはちみつ梅 を購入しました。訪問を受け入れてくださったみなさまに心よりお礼申し上げます。