大井川芸術創生譚@静岡県島田市抜里
博士課程のOさんと研究室メンバーで 大井川芸術創生譚 を見学するために静岡県島田市抜里にお邪魔してきました。10月に開催された 林業経済研究所のシンポ「農山村と芸術」 でこの取り組みを知って、訪問の機会を狙っていました(シンポ記録は 林業経済78(11) を参照ください)。 走る大井川鐵道に歓声を上げたりしながら抜里にたどり着くと、イベント基地になっているヌクリハウスでクロスメディアしまだの兒玉絵美さんが出迎えてくれました。兒玉さんと一緒に集落内にある「魚藤」さんのお弁当を堪能していると、若手アーティストの鈴木一生さんも加わってくださり、アーティストと住民の関係性や、住民同士の関係性である「抜里根性」の重要性を伺うことが出来ました。 アチラコチラに展示されている作品をコンプリートするためには集落をぐるりと散歩するように仕組まれています。そびえる巨大な竹製の手(小山真徳作「てのひら」)はのどかな茶畑になぜか溶け込んでいて、不思議な感覚が生まれます。 抜里に生まれ育った米沢くにおさんは、ご自分のガレージにところ狭しと家族の肖像(「家族をみつめて」)を飾っています。力強い色彩とタッチが家族の喜びを直截的に観るものに伝えてきます。 運動不足と花粉症の身体に鞭打って、「ぼいんぼいん山 ART TRAIL」を進んでいくと、マスコットキャラクターの「茶々」がちょこちょこ登場して山頂まで案内してくれました。 かつてあった保育園の子どもたちが名付けたというぼいんぼいん山(正式名称は寺山)の「音の要塞」(西田秀巳作)からは、大井川の蛇行で形成された自然環境に寄り添う集落を一望できます。写真の中央にある小山には抜里の家の多くが檀家になっている万福寺のお墓が見えます。川に近い方に茶畑が広がり、山側には民家が立ち並びます。どうやら芸術にはこの地で培われた人々の暮らしを可視化させる力があるようです。 日帰りで滞在時間が6時間ほどだったため、まだ見ていないところがたくさんありそうです。芸術、そして集落は、効率的に短時間で理解するものではなく、あそびながらのんびりと味合うものですね。今度は泊まりで訪問したいと思います。