京の桂


日文研(国際日本文化研究センター)で開催された二日間にわたる研究会に参加してきました。京都駅から西に少し行ったところにある桂駅からバスで20分ほど山に入ったところに日文研があります。せっかくなので研究会の前に桂離宮にお邪魔することにしました。

宮内庁によって皇室財産として管理されている桂離宮は自由に散策することが出来ません。1時間のガイドツアーを事前予約(厳密には抽籤)したものだけが入場できる仕組みになっています。とても丁寧なガイドツアーにもかかわらず、入場料込で1000円と破格です。


写真は、皇室が出入りする「正門」です。一般の人がこの門を使うことはありません。写真ではわかりにくいのですが、砂利が敷かれている道の部分は、門があるところの幅よりも手前の幅のほうが広く造られているため、距離を遠く感じ、名残惜しくなるとのことです。このように含意ある意匠がそこら中にあるのですが、解説を聞かなければほとんど気が付きません。

改修のために池の水を抜いている時期だとのことで、本来の美しい庭園の姿を拝むことはできなかったのですが、それでも木や石、池、橋、建物の一つ一つが、職人の手によって、およそ400年前から変わらずに完璧に維持管理されていることがよく分かりました。

本題の研究会の方は、「匂い」をテーマにした環境史ということで、日文研の先生方や懐かしい先生方とお話しや会食をする貴重な機会となりました。また去年お世話になったスロベニア現代史研究所のみなさんにも再開することできて、とても楽しい時間を過ごしました。二日目の昼食にいただいた木乃婦の仕出し弁当「洛中三条」は、すべての惣菜が丁寧に調理されていて、とても美味しかったです。改めてお礼申し上げます。




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