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ひだまりにクロコノマ

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今日は修論の中間発表会やら学会の準備やらで忙しく、小走りで本館の前を通り過ぎたとき、風は吹いていないのに一枚の枯れ葉がふわりと地面に落ちたように見えました。 目を凝らすと、その正体はクロコノマチョウでした。もう11月も半ば過ぎですが、暖かそうな陽だまりを探してふわふわと飛び、積もった枯れ葉の上に止まると、見事に姿を消します。 明日からは九州大学の伊都キャンパスで林業経済学会秋季大会です。  

不動のハサカケ米を農工祭で販売

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農村社会学研究室がはじめて農工祭に模擬店を出し、いつもお世話になっている上越市名立区の不動のお米を炊いたり、量り売りしたりしました。お米は9月に学生と一緒に天日干ししたハサカケ米です。 土曜日には不動の住民のみなさんがマイクロバスで駆けつけてくれました。山菜の炒め煮やおやき、おかきなどが販売メニューに加わり、お店の前には行列ができて、大賑わいです。 一般企画では、ブナやイタヤカエデ、ウダイカンバの板、木工品が並び、多くの人に手に取ってもらうことができました。また、この数年にわたって取り組んできた研究の成果を多くの人に知ってもらうことができました。 ただ、一般企画で一番の人気は、M2のTくんが栽培・販売・調理しているキャッサバのチップスだったのかもしれません。金曜に買ってくれた人が土曜の朝に再び現れてさらに二袋買っていかれるなど、日曜を待たずに売り切れてしまいました。 3日間、朝から晩までほとんど休まずに働いて、身体のあちこちが悲鳴を上げていますが、キャッサバだけでなく、お米も惣菜もすべて完売し、達成感・充実感に包まれました。不動のみなさんや研究室メンバーはもちろんですが、駆けつけてくれたOBOGやT先生、家族にも感謝です。この経験を活かして、来年はもっと上手に販売や展示を行えたらと思います。

研究会Box『森林と時間』を読む

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林業経済学会の研究会Box「『 森林と時間 森をめぐる地域の社会史 』を読む」に参加してきました。執筆者がそれぞれの視点から書評するという企画でした。護国寺に足を運んだのは久しぶりです。対面・オンラインをあわせて予想以上にたくさんの人に集まっていただきました。 懇親会もとても賑わって、実りある議論ができました。今回のプロジェクトに参加できたことに心より感謝申し上げます。

広葉樹 新時代!

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林業経済研究所がこの時期に毎年開催している、「緑と水の森林ファンド」助成シンポジウムに参加してきました。今年のテーマは「 広葉樹 新時代! 」です。 国産材、なかでも広葉樹への注目は加熱気味といってもよいくらいで、このシンポジウムにも会場の東大農学部1号館8番教室を狭く感じるくらいに人が集まりました。 有名な旭川の家具は、北海道のミズナラなどの広葉樹を利用しています。いま研究室で関わっている不動地区のブナも家具材として高く評価されてきています。これからの展開が楽しみです。

ムラサキツバメ

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後期が始まりました。1日が火曜日で初日から小金井に講義しに行きました。講義後、工学部の正門沿いに植えられているマテバシイにムラサキツバメが産卵しているのをみつけました。ツマグロヒョウモンと同じで、温暖化でいつの間にか東京に生息する蝶になりました。 農学部の近くにもマテバシイの街路樹があって、よくみたら幼虫がたくさんついていました。護衛にされたアリがまとわりついています。足元には母蝶も。こんなところで発生していたとは驚きです。 持ち帰って育てた幼虫たちは無事に羽化して、飛び立ちました。

カラマツと柴犬のふるさとへ

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東大林政の院生Kくんに誘われて東大林政S先生と研究室院生Uさんと一緒に長野県の川上村に調査に出かけました。 「余が郷、落葉松の産地を以て名あり」。明治32年に『 落葉松栽培法 』を著した実業家の井出喜重は、そのころすでにカラマツの種子の産地として有名であった川上村の人でした。この本は種子販売をするにあたって口頭で伝えていた栽培法を出版したものです。川上村文化センターの2階には村の歴史が展示されていて、そこに井出の『種子販売人名録』があり、誰に販売したのかが一目瞭然です。北海道や内地だけでなく朝鮮や樺太へも販売されています。 明治22年に8村(居倉村、原村、御所平村、大深山村、秋山村、梓山村、川端下村、大明村樋沢組)が合併して誕生した川上村はその後に合併することなく現在まで続いている自治体です。8つの前村の入会林野は大正13年にいったん川上村に統一されるのですが、昭和9年の「追加協定書」によって、1/3を川上村に統一する一方で、2/3を8つの「林野保護組合」に残し、さらにそのうち5割まではいつでも各組合員に無償譲渡できることになりました。林業総合センターにはそうした経緯を含めた林野の変遷が壁一面の展示で説明してあり、なかなか読み応えがありました。 ゆるキャラの レタ助 はそこらじゅうにいましたが、もう一つの目的である川上犬には展示舎改修のため残念ながら会えませんでした。川上犬は信州柴犬とも言われる小型日本犬で、県の天然記念物として保護されていますが、現在、頭数が減少しています。それでも、今回、天然記念物指定に至る経緯を正確に知ることができました。 川上村は実はおそばでも有名です。高齢のご夫婦だけで切り盛りしている善慶庵にお昼にお邪魔しました。標高1000mの寒冷地に育つソバの実で打ったおそばはとても甘く美味しかったです。サービスでレタスサラダも出してくれました。いまはカラマツではなくレタスで名を馳せる川上村です。帰り際にふと窓の上を見たら、以前、飼育されていたと思しき川上犬の写真が飾られていました。 インタビューにご協力いただいた関係者のみなさまに心よりお礼申し上げます。いろいろ調べたいことがでてきたので、また近いうちにお邪魔できればと思います。

ハサカケ

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実りの秋です。上越市名立不動のハサカケを研究室の院生全員とT名誉教授とでお手伝いしてきました。以前はどこの農家もハサカケをして稲を乾燥させていましたが、コンバインの普及によって、いまハサカケを続けているのは一軒だけです。バインダーで稲刈りをして、ハサ木にかけるという2〜3時間くらいの作業で、汗ぐっしょりになりました。立ち並ぶハサ木に架けられた稲が秋の陽射しで黄金色に輝きます。 花立温泉ろばた館 でひとっ風呂浴びてから、不動のみなさんと農工祭に向けて相談をしました。この日に干したハサカケ米を農工祭で販売しようという計画です。乞うご期待。 海辺の宿に泊まって、朝、海岸を散歩しました。ゼロメートルから不動の集落まではわずか15分です。 不動生産森林組合はブナなどの広葉樹材の活用に取り組んでいます。二日目は、作業道を入れてブナを間伐している場所に案内いただきました。朝は晴天だったのに、雨が激しくなってきて、慌てて不動山を下りました。 お昼には、住民の方が名立川の秘密の場所で手づかみで採ったイワナに、おにぎり、焼きナスをいただきました。イワナはすっきりとした清流の味でとても美味しかったです。いつものことですが、不動のみなさんと豊かな自然に本当にお世話になっています。心よりお礼申し上げます。 帰りの上信越、関越でものすごい豪雨になって、そのためなのかひどい渋滞になっていました。予定より2時間以上遅くなりましたが、公用車が頑張ってくれてなんとか無事に府中に戻れました。