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9月, 2025の投稿を表示しています

AAEH2025@高松

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2011年に台湾の台北で始まったAEAEH(東アジア環境史協会)会議は、2013年に台湾の花蓮、2015年に日本の高松、2017年に中国の 天津 、2019年に台湾の 台南 、2021年にオンライン(京都)、2023年に韓国の 大田 と隔年で回を重ねました。今回、東アジアからアジアに枠組みを広げ、新たに AAEH(アジア環境史協会)として第一回会議 が高松で催されました。 初日の9月26日は各国からの参加者が 栗林公園の商工奨励館 に集い、ジュリア・トーマス教授の講演などに耳を傾けました(写真)。   二日目は高松市内の高原水車へのツアー、三日目は土庄町の豊島へのツアーが組まれて、多くの参加者がフィールドで学ぶ機会を得ました。多くの方の努力で、現在はすべて撤去・処分されていますが、写真はかつて産業廃棄物が建物5階分ほど積まれていた場所です(豊島)。 各国からの研究者が意見を交わす国際学会が豊島の小さな公民館で行われる様子はなかなか貴重で、見応えがありました。参加者は檀山と 豊島美術館 のツアーに分かれて、島巡りもしました。高松港から豊島への40分ほどの船での往復の間には瀬戸内海の美しい景観を楽しみました。 四日目、最終日(29日、30日)は香川大学教育学部キャンパスで 50を超えるパネルセッション が行われました。自分は、四日目の午前に帝国林業のパネルで発表し、最終日の午前に韓国の森林のパネルでチェアとディスカッサントを引き受けました。最終日の最後の枠では研究室のUさん(M2)が国際学会での初めての発表を見事に乗り切りました(写真)。 Uさんの発表後、駆け足で空港に向かって最終便で羽田に戻ったため、ご挨拶がほとんどできませんでしたが、香川大学スタッフをはじめAAEHのキックオフに尽力くださった方々、とくに会長の村山先生と副会長の寺尾先生に心よりお礼申し上げます。 なお、四日目午後の総会では次の会長が選出され、AAEH2027は北京での開催が濃厚になりました。 滞在中、香川の美味しいものもたくさんいただきました。坂出の山下うどんでは、薪のかまどで茹でたうどんを堪能しました(写真)。連れて行ってくれた0さんに感謝です。 写真は、豊島から高松に戻ったあと、香川大のI先生に連れて行っていただいた食堂イタミです。昭和ノスタルジックなお店でいただいたオムライスは優しくて...

東日本林業経済研究会@小菅村

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今年の 東日本林業経済研究会 は新しい森林業の胎動を学ぶため、一泊二日で山梨県の小菅村にお世話になりました。初日はスタイリッシュな公民館で小菅村におけるこれまでの取り組みを学び、二日目の午前中に村内を見学しました。   小菅の湯の薪ボイラーに使用されている薪はこの木の駅で加工されています。写真のコンテナ一つが約1立米のスギ薪(灯油100Lに相当する熱量)です。 小菅の湯 では一日に約2立米が使われています。 いま村内にマウンテンバイクのトレイルを整備しています。作りながら遊ぶというスタイルはこれからの森林業に欠かせないことになりそうです。 源流大学 のスタッフの方々をはじめ、小菅村を案内くださったみなさまに心よりお礼申し上げます。 今回の研究会には韓国から友人の研究者のミンさんも参加してくれました。少子高齢化で山村が衰退しているのは共通の課題です。帰りに二人で檜原村の 森のおもちゃ美術館 にも寄ってきました。カフェから檜原村の集落を眺めながら、長かった酷暑の夏を振り返っていました。

飛騨高山の家具

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30年ぶりに高山を訪れました。そのときは春の高山祭で観光客がたくさんいたのですが、外国人はほとんどいませんでした。写真のように、現在、古い町並みを散策している観光客の多くはインバウンドの外国人です。宮川朝市もとても賑わっていました。 今回の訪問の目的は、高山の家具メーカーに出荷されている不動のブナ材の実態を把握し、今後の可能性を模索することです。 ドイツなどヨーロッパから輸入されているビーチ材との競合、天然乾燥時の曲がりやカビの問題、安定的な供給など、問題点を学ぶことが出来ました。ちなみに、beechは英語でブナを意味しますが、製材工場や家具工場では国産ブナをブナ材、外国産ブナをビーチ材と呼んで区別しています。ナラ材とオーク材の区別も同様です。 一方で、ブナ材の家具の歴史は古く、大正期から曲木加工が発達してきたことや、ナチュラルな白い色が消費者に好まれていることなど、長所もたくさんありました。案内くださった各社のみなさまに心よりお礼申し上げます。 空いた時間に「 飛騨の里 」にお邪魔して、建ち並ぶ国指定重要文化財の古民家を見学することも出来ました。草花に覆われた茅葺屋根がノスタルジックです。写真の囲炉裏(旧田口家住宅、国指定重要文化財)は南飛騨地方に特徴的な長方形です。 調査先のMさんに教えてもらって、 国八食堂 で豆腐の鉄板焼をいただきました。間違いなくご飯がすすむ絶品メニューでした。なんだか囲炉裏のかたちに似ています。 すっかり夏バテ気味ですが、高山には一足先に秋の気配が訪れていました。厳しい夏はもうすぐ終わり、クズの花が咲き始めます。