飛騨高山の家具

30年ぶりに高山を訪れました。そのときは春の高山祭で観光客がたくさんいたのですが、外国人はほとんどいませんでした。写真のように、現在、古い町並みを散策している観光客の多くはインバウンドの外国人です。宮川朝市もとても賑わっていました。

今回の訪問の目的は、高山の家具メーカーに出荷されている不動のブナ材の実態を把握し、今後の可能性を模索することです。

ドイツなどヨーロッパから輸入されているビーチ材との競合、天然乾燥時の曲がりやカビの問題、安定的な供給など、問題点を学ぶことが出来ました。ちなみに、beechは英語でブナを意味しますが、製材工場や家具工場では国産ブナをブナ材、外国産ブナをビーチ材と呼んで区別しています。ナラ材とオーク材の区別も同様です。

一方で、ブナ材の家具の歴史は古く、大正期から曲木加工が発達してきたことや、ナチュラルな白い色が消費者に好まれていることなど、長所もたくさんありました。案内くださった各社のみなさまに心よりお礼申し上げます。


空いた時間に「飛騨の里」にお邪魔して、建ち並ぶ国指定重要文化財の古民家を見学することも出来ました。草花に覆われた茅葺屋根がノスタルジックです。写真の囲炉裏(旧田口家住宅、国指定重要文化財)は南飛騨地方に特徴的な長方形です。

調査先のMさんに教えてもらって、国八食堂で豆腐の鉄板焼をいただきました。間違いなくご飯がすすむ絶品メニューでした。なんだか囲炉裏のかたちに似ています。

すっかり夏バテ気味ですが、高山には一足先に秋の気配が訪れていました。厳しい夏はもうすぐ終わり、クズの花が咲き始めます。

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