百村の蛇より

毎年8月7日は、稲城市百村にある妙見宮で「蛇より」行事が執り行われます。1662(寛文2)年に、全国的に流行した疾病を防ぐために始まった行事です。
府中に引っ越してきたときから見学したかったのですが、なかなか機会に恵まれず、今回、初めてお邪魔することができました。
妙見信仰は北斗七星を祀ります。蛇よりでは、百村の住民による「星神社奉賛会」から選ばれた7名が、蛇をつくるための萱を当日の朝から刈って、5〜10本くらいずつの束にして、400束を用意します。

鳥居の前の広場で14時すぎに妙見寺の僧侶が7名に祈祷を捧げると、ずらっと並べられた400束の萱で蛇づくりが14時20分に始まりました。
頭の部分と胴体の部分とで別々に作業が行われます。織物のようにして作られる頭が先に出来上がりました。50m以上あるという長い胴体が完成したのは16時ごろでした。
全部、完成するとすぐに、尻尾のほうを先頭にして胴体を参加者みんなで持って、山上の社殿に続く階段を登っていきます。その年の蛇の長さによって異なるようですが、今年は社殿のある広場を半周くらい這わせることができました。
なんでもその年の萱の育ち具合によって蛇の長さが変わるそうで、今年は長かったとのことです。
いつの間にか、蛇の頭は胴体と繋げられて、鳥居の横にある「二十三夜塔」に安置されていました。蛇(角があるので本当は龍ですね)を「開眼」させる祈祷を妙見寺の僧侶が行って一連の行事が終了しました。


急に雨が降ったり、強い陽が射したり、セミの鳴き声のなか、汗をいっぱいかきながらの見学となりました。新型コロナウィルスの退散もそろそろでしょう。

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