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岩手でゼミ合宿

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薫風5月、岩手県立大学のゲストハウスでゼミ合宿を行ってきました。県立大に着任して間もない、研究室OBの周平先生と一緒に滝沢市と盛岡市の各地を訪問してきました。県立大の周辺からは残雪の美しい岩手山を拝むことができました。 初日は、林業経済学会でいつもお世話になっている岩手大学の先生方に学生を紹介して、アドバイスをいただいたりした後、 農業教育資料館 にお邪魔しました。 この資料館の建物は、1912(大正元)年に建てられた旧盛岡高等農林学校の本館です。岩手大学はこの旧盛岡高等農林を母体にして戦後に国立大学として創立しました。官立の高等農林学校としては全国で最も早く、1902(明治35)年の創立です。この本館が建ってまもなくの1915(大正4)年に宮沢賢治が入学しています。賢治とその指導をした関豊太郎の関係などの展示をゆっくりと見学しました。 岩手県立大学のゲストハウスは設備の整った施設で、学生たちと合宿するのに最適でした。ゲストハウスだけでなく県立大のキャンパスは県内外の学生たちが学ぶ環境として素晴らしいところでした。 二日目は早起きして、ゲストハウスに隣接する滝沢森林公園で自然観察を楽しみました。ここは公園というよりも歩きやすい勾配のない森林です。チゴユリやエンレイソウが咲いている林内のあちらこちらで、キビタキが鳴き声と姿(この動画では分かりませんが、、、)をみせてくれました。ネイチャーセンターでは餌場や水場を設置してあって、窓越しにアカゲラやリスも観察できました。   午後は松園にある 岩手県立博物館 にもお邪魔しました。自然史と社会史のバランスの良く取れた常設展示のほか、テーマ展では博物館の お宝 に出会うこともできました。野外には2棟(曲屋と直屋)の古民家が展示されていて、 曲屋(岩泉) を川崎の民家園のもの(紫波)と比較すると、馬屋の位置が逆でした。ただ、屋内が暗いので、足元や頭上には要注意です。 初日は ここ 、二日目は ここ で、久しぶりに本場の冷麺を楽しみました。お腹が空いていたのもありますが、初日にお邪魔した写真の冷麺はとても美味しく、大盛りが一瞬で消えました。 東北新幹線に乗ってしまえばすぐですし、今回の訪問をきっかけにして岩手での調査研究を展開できたらとても嬉しいです。県立大、岩大の関係者のみなさまに改めて感謝申し上げます。

森林社会学

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東大農学部で「森林社会学」の集中講義を担当することになって、この週末の二日間を1号館の6番で過ごしました。台湾の阿里山の話もしましたが、この東大農学部正門には、もともと、 明治神宮の鳥居と同じように 、タイワンヒノキが使われていました。院生時代の2003年に木曽ヒノキに取り替えられたことはよく憶えていて、弥生講堂の裏に古い門がしばらく置かれていました。 さて、集中講義「森林社会学」の方は、予定した内容が7コマに収まらなかっただけでなく、最後の方は疲れも出て、話がグダグダにになってしまいました。ただ、今回、三井昭二先生の書かれた『森林社会学への道』や、内山節編(1989)『《森林社会学》宣言』を改めて手にとって、「森林社会学」とは何かを考えることができました。 『《森林社会学》宣言』の「はしがき」には次のように書かれています。森林社会学とは、「自然的=社会的存在としての森林を、ときに社会史的視点から、ときに地域社会の視点から、ときに自然史的視点から、ときに森林と人間の関係史的視点からとらえていくことによって、いわば森林と人間の社会との関係論を組み立て直そうという試み」であると。これは環境史の考え方にとても近く、先見の明に驚かされます。なぜ歴史に注目しているのかについては以下のように述べられています。 「森林の歴史は人間の歴史でもあったのではなかったか。人間と森林のかかわりかたが森林の形態を変え、現代における森林の状況は、現代における私たちの文明の状況を指し示している。とすれば、森林と人間たちの社会の関係を、その根源にまで遡ってみつめなおしていかなければ、森林と人間の共生を語ることはできないだろう」 この部分は共感するところもありますが、十分に理解できないところもあります。ただ、「森林社会学」(「森林社会史」と言い換えたほうが良いかもしれませんが)は、これまで自分が取り組んできたことにかなり近いと言えそうです。というよりは、若いときに読んだこの本からの影響が小さくなかったのかもしれません。

カルミアにオオミズアオ

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第1講義棟の横にある池の近くに2本のカルミアの木があります。こんぺいとうのような蕾が開いて花が咲きだしました。毎年、こんなにかわいい花を咲かせていたのに、ついこのあいだまでこの木の存在を知りませんでした。 去年の秋も終わりの頃、オオミズアオの終齢幼虫がこの木についていることを院生のSくんとUさんに教えてもらったのですが、幹を見ても、葉っぱを見ても、木の名前がすぐに分かりませんでした。図鑑をいろいろ調べて、ようやくカルミアという名前にたどり着きました。 庭木として植栽されるカルミアは、アメリカ原産のツツジ科で、葉っぱにはグラヤノトキシンという有毒成分を含みます。アセビやネジキにもグラヤノトキシンが含まれているそうで、アセビはオオミズアオの食樹の一つです。家に持ち帰った終齢幼虫はすぐに蛹になって、ときどきゴソゴソと音を立てながら越冬しました。一昨日、繭をぶちやぶって出てきて、綺麗に羽根を伸ばしました。

キスゲフェスティバル

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浅間山のキスゲフェスティバルに出かけてきました。ムサシノキスゲが綺麗に咲いていました。今年は例年より季節が一週間くらい遅いようです。不動の 江上げ も今年は11日とのこと。 ホウチャクソウも咲き始めたところのようです。あと一週間くらいは花々を楽しめそうです。